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堂倉谷はでかかった:台高山脈・宮川水系堂倉谷本谷


【日程】 日時:2015/9/20(日)~21日(月)
【メンバー】森麻呂さん(L)、Nabetakeさん、岳
【遡行グレード】3級

前夜、トミスミートにて頂いた牛肉と、
おいしいお米で膨らんだお腹を4つ載せて、
森麻呂VEZEL号は南へ南へと紀伊半島の急峻な山合いのカーブが続く道を快調に飛ばしていった。

向かっているのは大台ケ原の駐車場。
時折現れる集落はとても静かで人影が少ない。
僕等は在りし日の山の民の生活に思いを馳せた。

大台ケ原に近づくと、そこは雲上の世界。
大峰山脈が青い空の下に長く長く稜線を伸ばしている。

大台ケ原の駐車場は7割方埋まっていた。
軽装のハイキング客がほとんどだ。

僕等のザックは70L程。
一泊するためのテント/シュラフやロープ/ハーネス/ヘルメット/沢靴と沢装備が詰まっている。
大台ケ原を満喫するWatayukiさんと別れて僕等は日出ヶ岳へ向かった。
ハイキング客のための散策路をでかいザックを担いでガシガシ進んだ。

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日出ヶ岳山頂にはすぐに到着。

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ここからは僕等がこれから二日間篭もる谷が良く見える。
どう見ても長い行程だ。
心が弾む。

日出ヶ岳から大杉谷へ下っていく山道に入ってからは出逢ったパーティーは5組程だったように思う。
堂倉の避難小屋まで来る沢旅に胸を膨らませ駆けるように下った。

避難小屋から少し進むと林道を越え急峻な登山道へと入る。
入り口にはゲートがあり、仰々しく注意書きが書かれていた。
どうやら登山道が崩落しているらしい。

急な登山道を下っていると間もなく豪壮な滝の音が聞こえてくる。
山を歩いていて沢の音が聞こえるとテンションがあがってくる。
僕は沢が好きなのだ。岩よりも沢だ。
自然と遊ぶ感覚が最も強いのが沢だと思う。
岩は自分との勝負だ。
自分の可能性を広げるために鍛錬する場が岩だ。

目の前に堂倉滝が現れた。

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「うーおー、すっげー!」思わず僕は叫んだ。
こんなに大きな釜はみたことがない。
横綱の化粧廻しのような迫力でドウドウと滝が流れる。
僕の知っている丹沢や奥多摩の滝とはスケールが違う。
スケールが大きいと遠近感がわからなくなる。
すぐ近くに滝があるように思えるし、見た目よりも遠くにあるようにも思える。

これから遡行する堂倉谷のスケールを想像し、逸る気持ちを抑えながら沢装備を支度する。
この時間も僕の大好きな時間だ。幸福感に包まれる。

揺れる橋を渡って少しだけ登山道を歩くと赤テープがあった。
見上げると急な尾根に踏み跡がかすかに残る。

取り付くとすぐにずるずる崩れる土砂と木の根と脆い岩のクライミングだ。
いきなりなかなかの辛さ。
やっとこさ登山道に這い上がると綺麗な階段上の登山道が下から伸びている。パイプの手すりまである。
笑うしかない。沢にはやる気持ちが僕等の視界を狭めているようだ。

降り口を探してウロウロしていると、森麻呂さんの声が聞こえる。
「こっちにあったぞー」
湿気と泥でボロボロのロープが、ザレザレの斜面に申し訳程度にかかっていた。
崩れていくザレ斜面を石を落とさないように20m程降りると堂倉滝の上に降り立った。

いきなり幅20m程の川幅いっぱいに広がるナメだ。
白い岩肌の上を水が踊るように流れている。眩しい。

しばらく歩くとすぐに30m程の大きな滝が現れた。釜も大きな釜だ。
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登り口を探してみるが、迫力に気圧されて、とても登れそうにない。

左岸の踏み跡と赤テープを辿って高まくが、延々と上に向かって赤テープが僕等を誘う。
空腹と重なって、かなり辛かった。
台高の高巻きはさすがにつらいなぁ。
やっぱり高巻きもスケールが違うなぁなどと息切れしながら考えていたら尾根に出た。
登山者の熊避け鈴の音が下から聞こえてくる。
谷を見下ろすと80mは上がっているように思えた。

さすがに間違えたかと、小休止をとってから下り始めた。
尾根の急登が始まる岩場の手前に笹ヤブに突っ込むようなかすかな踏跡があった。笑うしかない。
台高の沢のスケールに呑まれているのかもしれない。

エメラルドグリーンの釜のプールをトラバース。
幅広のナメ滝を水滴を撒き散らしながら歩いていく。
少し傾いてきた光に雫が乱反射する。

ゴーロが続く。
ゴーロと言っても丹沢や奥多摩の沢のゴーロではない。
転がる岩のスケールが5倍はある。
ゴーロ岩が3m程の滝を作る。

アザミ谷の出合いにつくと
エメラルドグリーンのプールに巨大な岩が作る滝が2本かかっていた。

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その景色を観賞するためにできたような高台がある。

テント二張でいっぱいの広さ。
先人の焚き火の後があった。
焚き火のそばにはベンチのように倒木が横たわっている。
高台に至る緩やかな斜面は乾いた流木がたくさん。
ここでテントを張らずにどこで張るんだ。
天国のようなテン場を見て遡行意欲は下流に水と共に流され、アルコール欲求が沸々と湧き上がる。

焚き木を拾い集め、テントを張る。
沢の音が響く。
早速、焚き火を燃やし腰まで濡れた服を乾かす。
それ以外やることもない。考えることもない。
この単純な時間がたまらない。

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ビールを空け、焼酎を飲み、食事をとり、山談義に花を咲かせ、眠くなったら寝る。ただそれだけの夜。こんな夜を毎日繰り返しながら死んでしまいたい。そう思える程、幸せな夜。

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翌朝は4時頃起床した。
ヘッドランプで朝飯を掻き込む。
テントを手際よく片付け、雉撃ちに。
先輩方の用意は手早いので雉撃ちしてるとどうしても遅れてしまう。

空は明るいが、尾根が邪魔して太陽の光は直接入ってこずまだ薄暗い。
歩き始めてすぐ現れた奥七ツ釜は、それでも素晴らしい。
透き通る水に吸い込まれてしまいそうだ。
宇宙への入り口のようだった。

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美しい釜の色に歓声をあげていると、段々と川幅が広くなってきた。
岩も小ぶりになる。
流れが大きく西に曲がり、木々の間からは日出ケ岳の山頂が見えた。

すこし人の気配を感じる、すぐ近くを林道が走っているようだ。
林道が河を横切る手前にこれまでで最大のプールがあった。
夏だったら間違いなく飛び込んだだろう。

橋桁の下で休憩していたら、地元の方が何か声をかけてくる。
河の流れのそばにいる僕等にはまったく聞こえない。
ゼスチャーで会話して、遡行を開始した。

しばらく川幅の広い平坦な遡行が続く。

なんでもないトラバース部分で僕は背中から落っこちた。
頭から岩の窪みに突っ込んだ。

落ちた距離も2m程でザックとヘルメットが守ってくれたがもし空身だったらと思うとゾッとする。

ここからは降りれないなと後戻りしたところに、
後ろから来たnavetakeさんが「ここ行けないの?」と声をかけてきた。
自分の感覚を信じて「僕には行けません」と言えば良かったのだが、高低差の小ささに油断した。
降りるために足を伸ばしたらその岩は完全にハングしていた。
足が振り子になり、ザックが重りになり、思いっきり背中から落っこちた。
まったく痛みはなかったものの、その後しばらくは少し気持ちが不安定になったように思う。
自分の判断に自信が持てない状態がしばらく続いた。
数mの高巻きでさえなんだか怖く感じる。

広い河原歩きに飽きてきた頃、だんだんと地形がゴルジュ状になってきた。
時折、腰まで水に浸かりながらゴルジュ帯を突破していると、いきなり連瀑帯の幕開けだ。

高度感もなかなかのもので、トラバースからの下降のためにロープを1度使った。
滝の直上が厳しい場所のトラバースのためにも何度かロープを出したように思う。

数十mの滝が3~4本続く最後の大滝はこの沢旅のクライマックスに相応しいものだった。
登攀グレードは2~3級。
ロープを使わずフリーで突破した。
緊張感はあったが怖さはない。
登る喜びが身体から溢れてくる登攀だった。

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大滝を抜けると、なだらかな斜面となった。
苔生すガレ場に年老いたコメツガと覚しき大木が聳えている。
沢の詰めとして厳しい部類では無いが緊張感から開放されたためか、
疲れがどっと出てきて足取りは重いものになった。

…のは僕等二人だけで、
Watayukiさんとの再会が待ち遠しいのか、
元々足が速いのかnavetakeさんはぐんぐん登り、
カモシカのように登山道を降っていてしまった。


恋ノ岐川:越後の山の懐でどっぷり遊山。


夏合宿、第二弾は恋ノ岐川から平ケ岳登頂を目指しました。
2泊3日の行程です。

前回の灰ノ又沢から二日と空けずに、また越後に戻ってきました。
灰ノ又の二日目の晩、調子にのってテントの外でシュラフカバー一枚で寝てしまったため、夏風邪を引いてしまったようです。

体の冷えとボッーとした頭で終始登り続ける3日間となりました。

一日目はアブに追いかけられものすごいペースで歩くトレイルランナーKobさんについていくので必死。
緑とナメの美しい恋の岐川を駆け抜けていきました。

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清水沢と三角沢の先の高台のテント場に着いたのはまだお昼頃。
長々と焚き火とBBQと宴会を楽しんだのでした。

ヤマメが釣れないかと、釣り糸を垂らしてみましたが、
素人の僕が釣れるはずもなく、ただ身体を冷やしただけでした。

テン場は大きく傾く傾斜の中。
ほぼ三角座りでウトウトしていました。

二日目は暗いうちに起きて、明るくなると同時に出発しようとしたのですが、激しい雨が降ってきました。
透き通って流れていた清水も、あっという間に茶色い濁流となりました。
大きな山で遊ばさせてもらっている小さな僕らは、山のリズムで遊ぶしかありません。
高台に片付けたテントをもう一度張って、ウトウトしながら雨が上がるのを待ちました。
山にリズムをあわせる時間を経るとより深く山と一体になれるような気がするので、僕はこの待ち時間が好きです。

雨が上がり水量も少し減ったので、出発しました。
昨日の穏やかな恋ノ岐川は嘘のよう。

茶色い恋の濁流はドウドウと谷に音を響かせながら流れています。
水が透明でないと沢床の深さがわからないので、怖さも増すのです。
少し緊張を強いられる遡行となりました。

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三角沢とオホコ沢の間には数カ所、居心地の良いテン場がありました。
沢床との高低差は少ないので、天気に不安のない時はここらへんは最高の宿となることでしょう。

オホコ沢との出合には、2~3時間で着きました。
ここからは沢幅も狭くなりゴルジュ帯が続きます。

濁流の中進む気になれるコースではありません。
雨も降り続けていました。
昨日よりも数倍居心地の良いテン場がありました。

ここで早々に幕営することとしました。

明日の天気が気になります。
もちろん携帯の電波は通じません。
天気予報を聞くために、雑音だらけのラジオに耳を済まします。
夕方から夜まで酒を飲みながら、耳を済ましていたのですが、
天気予報を聞けたのは結局三日目の朝でした。
ほぼ全員がスマホを見つめている東京の通勤電車が幻のようです。

夕方になるとだんだんと水が綺麗になってきました。
空を見上げると、明日の天気は良さそうに思えます。

明日を楽しみに早々に眠りにつくことにしました。

3時半過ぎ起床。
朝ごはんを食べ、ラジオに耳をすまし、びっしゃびしゃの沢装備を身につけスタート。

完全に透き通った小さなゴルジュや小川を延々と歩いていきます。
傾斜が少なく里山の小川を歩いているような気分になりました。

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昨日の濁流を遡上してきたのか、魚影が至る所に見られました。
悠々とトロ場を10数匹が漂っている姿もありました。
釣り堀のようです。
釣り針を垂らしたい欲望に駆られます。
今日は、昨日一昨日の行程を一気に取り戻さなければいけないので先を急ぎました。

深く狭く美しいゴルジュをトラバースしたり泳いだり、山の隙間に隠れるように流れる滝を登りました。

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だんだんと姫ケ池の山頂の姿が見えてきました。
傾斜も急になってきます。沢の幅も細くなり、水もチョロチョロとした流れに。

こちらが登山道への近道だと沢から離れ、藪の中へ突っ込みますが、越後の藪は猛烈で遅々として進まないのでした。

登山道に出ると尾瀬の山々が見渡せました。山頂はすぐそこのようです。

姫ケ池は山頂に広がる広い湿原でした。
二日間、山の懐に抱かれるようにいたので、この景色が余計に素晴らしく感じられました。

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姫ケ池に重い装備をデポして、平ガ岳まではほぼ空身で軽快に歩きました。
平ガ岳の山頂にも広い広い湿原がありました。
GWに登った越後三山を見渡せました。

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今日は平ガ岳の登山口まで降りなければなりません。
山頂の世界を充分に堪能した後、一気に登山口まで駆け下りました。

と言いたいところですが、
そこそこアップダウンがあり、体調が優れず疲労も溜まっていた僕は途中でエネルギーがつきかけてしまい余計にもっていた共同装備を持ってもらうことになりました。うーん、情けない。

GWにお世話になった白銀の湯で一風呂浴びて、これまた相模原まで駆け抜けるように帰宅したのでした。


中ノ岐川灰ノ又沢:沢満喫生活


奥只見湖から湧き出る朝靄。時折、姿を見せる広い湖面。

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銀山平から尾瀬に向かう国道352号線は、奥只見湖に沿って山際を縫うように作られた1.5車線の狭い道。
次々に出てくる沢には丁寧にほぼ全て名前がついていました。

雨池橋の手前に着くと釣りのおじさんが車のそばで椅子を広げて朝ごはんを食べていました。
雨池橋周辺は5~10台ほど駐車可能なスペースがあります。

そこでコンビニで買ったおにぎりを2つゆっくりと食べました。
渓谷には岩壁が所々露出しており、登攀意欲を掻き立てます。

身支度をして、林道を一時間程歩きます。
半袖半ズボンで歩いた僕は、たかってきたアブにたくさん咬まれました。

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途中途中で覗く枝沢のナメ床や小さな滝に、その奥にどんな世界が待っているのか、想像を広げました。

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尾根の突端を回り込むと灰ノ又橋が姿を見せます。沢装備を身につけていると、20代から30代を中心としたパーティーが追いついてきました。彼らも灰ノ又を遡行するようです。

我々メンバーは体力面ではとてもかないそうにありませんので、そのうち抜いてもらいましょうと言いながら遡行を始めました。

やはり最初は身体が硬くなかなか沢との一体感を味わいながら歩けません。
最初の滝は5〜6mの2段になっている滝でした。

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向かって左側に踏み跡っぽいものはあるものの取り付いてみると泥壁で、草付の手はあっても足がとにかく安定しません。右側から巻いて登ることにしました。

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登っている途中でもう後続パーティーに追いつかれました。彼らは滝を直登しているようでした。すごいなぁ。

快適に越えられる1~3級程度の滝を、次々に登っていきました。
滝を一心不乱に登っているうちにどんどん僕と山がひとつになって行く気がしてきます。

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幕営地の一つ手前の12m程の滝では、追い抜いていった若いパーティーが、わざと難しいルートを選んでクライミングを楽しんでいました。
僕らは無難なルートを選び滝を超えていきました。

二股を確認しその手前にテント場を探しました。
しかし、増水しても安全そうな高台で且つテントが張れるような平たい場所はどこも地面がビシャビシャです。
まだ雪渓が融けて間もないためあまり乾いていないようでした。
もう少し下まで降りて、ザックを置いて周辺の高台を物色。
どこも背の高い雑草が生えていますが、先輩方が良い場所を見つけたようです。
背の高い草をバイルで刈って、テントを張る場所の下に敷き詰めました。

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テントを張ったら、薪を集めに。
川には細いものから太いものまで乾いた流木がたくさんありました。
沢のすぐそばを宴会場としそこに焚き木を集めます。

さっそく、点火。さすが、先輩。
すぐに勢い良く火が燃え上がりました。

おつまみとして先輩がポップコーンを作ってくれました。
海藻サラダも出てきました。
軽い乾物でいかにおいしく食事を作るか。
乾物を中心に食事のメニューを考える大切さを学びました。

今回の合宿では、僕は食事当番。
1日目の晩御飯は、ソーメンとしました。
にしんの昆布巻きと、にしんの姿煮をつけあわせに。

ビールと泡盛をしこたま頂いて、追加の薪を拾いに行ったら思いの他千鳥足。
つまずいて沢に尻もちをついてしまいました。

酔っ払った先輩方は、いつの間にかテントの中へ。
僕は焚き火の温さが気持よくて、焚き火のそばの岩に寝転んで歌っていました。

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いつの間にか眠っていたようです。
寒くて起きると、焚き火の火が弱くなっていました。
熾き火の小さな赤いゆらぎ以外は漆黒の闇。
沢の音が滔々と響きます。
寝ぼけ眼をこすりながら山の合間から見える星空を確認し、明日の天気を確信。
安心してテントの中に潜り込みました。

 

 

目を覚ますと、テントの中の様子がうっすらと見えます。もう朝のようです。
時計をみると4時半でした。

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起きだして焚き火の様子を確認し、朝ごはんの準備を。
朝ごはんは、クリームパスタ。
はやゆでパスタをサッと茹でて、クリームパスタの素を入れて出来上がり。

テントを片付け、まだ乾き切らない沢靴を履き、いざ二日目の行程へ。

二股の出合いには昨日確認した6m程の二条滝が。
ここは2~3級程で難しくはありませんが、朝イチでまだ体が硬いのと、少し立っていたので、皆怖く感じたようでした。

ここから先はしばらく、5mぐらいで2~3級の快適に登れる滝がリズミカルに続きます。
水は冷たく、泳いで楽しむことはできませんでした。
一つだけホールドの細かい滝があったので、そこはロープを出させてもらいました。
へつったり、攀ったり、美しい景観と相まって、とても、楽しい時を過ごせました。

滝の上にもやがかかっています。水も一層と冷たくなりました。
その滝を登ると目の前に雪渓が姿を現しました。

雪渓の手前に日当たりが良く、少し平たくなっている場所があったので、休憩をとりました。

左半身は雪渓の中から吹いてくる冷気で寒く、右半身は燦々と照りつける夏の日差しで温かい。
時折、体の向きを変えながら休みました。

雪渓を登っていくと、顕著な二股が。
左に見える方は雪渓に埋まっており、右は沢が姿を見せています。
右だとは思いますが、念の為、左側も空身で偵察することにしました。
空身になると驚くほど、体が軽く、小躍りしながら雪渓をさくさく登っていきました。
右を見上げると荒沢岳の山頂付近が夏の濃い青空を背景に聳えていました。
左側ではない確信が持てたので、小走りで雪渓を下り、右に進路を取りました。

しばらく進むと雪渓の崩落した後が。

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ここで昨日の若いパーティーが追いついてきたので先にいってもらいました。

そこを抜けてしばらくすると、また雪渓が現れます。
二股になっているその雪渓は両側が切れ落ちており、真ん中が一番分厚い状態。
ここを歩いて崩落すると15~20mは落ちることになります。
若いパーティーはそのリスクを考えて脇の土が出ている斜面を迂回していました。

僕には真ん中であれば充分な厚さがあるように思えました。
先輩の意見を聞くと、先輩もこれぐらいであれば大丈夫だろうとの判断。
一人ずつ雪の橋を渡っていきました。

その雪渓を越えると、沢の幅も大分、狭くなり、斜度も急に上がりました。
森林限界を越えてきているため木々の背も低く、夏の太陽がもろに照りつけます。
メンバーの一人が熱中症気味になり、パーティーのペースががくんと落ちました。

最後の6m程の滝はホールドの乏しい滝で先行パーティーも登るのに少し時間がかかっていました。
順番待ちをしていた僕らは、サンショウウオを見つけられました。

ハーケンで支点を2箇所取りながら登りましたが、僕のハーケン経験の少なさからくるリスの場所選びや打ち方、僕のバイルのトンカチ部分がやたら小さい、
アイスクライミング用のバイルなので柄が曲がっていて打ちにくい、諸々の要因で中々、バチっと効いてくれませんでした。
とはいえ、落ちるほどギリギリの局面でもなかったので、なんとかこの滝も無事に完登し皆を上げられました。

最後の高度差200mの詰めは夏の日差しに照りつけながらの、ガレ場と岩と草付きの登りとなりました。
それほど難しい登りを要求される場面ではありませんでしたが、斜度も急で落ちると100m位の滑落は免れません。
相当疲労しているメンバーには危険な局面もありましたので、ロープで確保しながら頂上を目指しました。
登山道に二人のメンバーが到着し、僕は彼のサポートをしながら登りました。

登山道に支点を作り上からロープを投げてもらい彼の安全をまずは確保し、僕は登山道まで上がります。
草付きを上がってくるのを待ちますが、疲労困憊の彼は独力では上がって来れる状態ではありませんでした。
二人でタイミングをあわせて彼の体を引張りあげました。

荒沢岳の頂上へ上がると、快晴の空の下、奥只見の山々が見渡せました。
今年のゴールデンウィークにもここに来ました。
その時は雪に覆われていた白い世界。
今は夏の木々に覆われた深い緑の世界です。

予定では荒沢岳から再度裏荒沢を下降し、もう一泊沢の中での生活を楽しむ予定でした。
メンバーの一人は疲労困憊、一人は親指の爪が剥がれ、一人は膝を負傷。
あまり良い状態ではなく、これから再度この斜面を下り、沢を下降するのはリスクが高いと判断し、一般登山道を使って銀山平に降りることとしました。

しかし、荒沢岳山頂から銀山平の一般登山道も鎖やはしごの多い危険なルートです。
疲労度の高いメンバーはロープを出して確保しながら降ろしていきました。

ロープをしまってからもメンバーのペースは上がらず、銀山平のキャンプ予定地に着いたのは19時頃でした。
蛍が当たり前のように舞っていました。空は当たり前のように無数の星で埋め尽くされていました。


ウルシガ谷沢:夏合宿沢練習


今年の夏の合宿の予定。
前半は越後の只見川水系中ノ岐川灰ノ又沢溯上、裏荒沢下降。
後半は同じく越後の恋ノ岐川溯上、平ガ岳へ。

今日は前半の合宿メンバー4名で沢登り&下降練習です。
チーフリーダーを任せて頂きました。

当初の予定は右俣を遡上し、左俣を下降。

まぁ、ものの見事に右俣の出合いに気づかず、左俣を溯上、右俣を下降となってしまいました。
最後の沢の詰めでも、予定よりも一本尾根の向こう側の沢をあがりましたしね。
そこらへんすぐに気づくReiko先輩はさすがの経験の深さです。

リーダーとして、まだまだ精進が必要なことを感じた山行となりました。
後から地形図を良く見ると確かに右俣の出合いはかなりわかりにくい地形なんですけどね。
事前に地形図を見た時にこの出合いがわかりにくいから注意しないとな!ぐらい思えるようにならねばいけませんね。
精進せねば。

ガイドブックにあるように、早春の沢はじめ、他の沢が増水して登れない時の沢として登るってのが、行程も短いこの沢の正しい楽しみ方なのかもしれません。

沢を詰めると林業重機用の立派な道が切り拓かれていました。
ウルシガヤの頭のまわりにも重機用の道がバリカンで刈ったように張り巡らしてありました。

沢を詰めて尾根に出た時に僕が言った一言。
「なんじゃこりゃ。」
二番目に尾根に出たReikoさんが出た一言も。
「なにこれ?」

いつも沢を登って登山道に出た時のあの達成感はこの道のせいで味わえさせてもらえなかったのでした。

山で遊ばせてもらっている私としては、あの山の切り開かれ方は一抹の寂しさを感じてしまうのです。

でも、山で生活している方にはそうしなければならない、それなりの理由があるのでせう。
一度、お話を聞いてみたいものです。

◯_RIMG1070腰まで一回釜に浸かってから岩の間をつっぱりつっぱり登るのです。ここ楽しかった。

◯_RIMG1075左俣最後の10m滝。1箇所だけ悪いところあります。お気をつけて。

◯_RIMG1076右俣出合いの12m二条滝を懸垂下降しました。

◯_RIMG1077この大岩が見えたら右俣の滝が右上に見えるのですが、全く気づけませんでした…

◯_RIMG1078最後にドロドロになった沢装備を沢で洗うこの時間が僕はとても好き。


箱根屋沢:滝のぼり満喫


7月11日(土)晴れ

来週の谷川岳凹状岸壁に向け、暁山岳会のnavetakeさんと箱根屋沢に入りました。

登攀4級、且つ、上級ルート。
アブミを必要とするエイドクライミングが必要な沢。

車を降りるとすぐに沢の出合い。
長いアプローチは必要ありません。
5分も歩かない内に1本目の滝が現れました。

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短いコースに12本も5~15m程のそこそこ登りごたえのある滝が間髪入れずに続きます。

シャワー上等滝直登主義の私も、さすがに6本目ぐらいの滝は、水のかからないルートを選んで登ってしまう程でした。

8本目のエイドクライミング滝はnavetakeさんにリードして頂き僕はフォロー。
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9本目のエイドクライミング滝は僕がリードでnavetakeさんフォロー。
ほぼ代わりばんこで滝を登っていきました。

お昼前には尾根に出ました。
尾根を下っていると草いきれの匂いがしました。

夏はもうすぐです。


西丹沢:モロクボ沢 砂に洗われた美しい水と深い苔の絨毯


7月4日(土)

西丹沢のモロクボ沢へ暁山岳会の仲間達と行ってきました。

西丹沢自然教室に車を停め、テント泊装備を車の中へ。
日帰り沢装備をザックに詰めて歩き始めます。
谷あいの道、キャンプ場が並ぶ和やか中川沿いの道のりが久しぶりに再開する仲間達の距離を縮めてくれます。

モロクボ沢の出合いは広い気持ちのよい草地です。

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ここでヘルメット、ハーネスを装着し、沢靴に履き替えます。
いざスタート。

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堰堤を二つほど越え入渓地点にて、沢登り初体験の方へ簡単なレクチャー。

沢をドンドコ歩きます。

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沢の中に足を入れて歩くと、冷たい水と優しい流れが、都会の中で閉じられていた僕の五感を開いてくれるのを感じます。

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一番最初に現れた30m程もある大滝。
どこからなら登れそうか、観察してみますが、とても滝の直登は難しそうです。

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僕らは先行パーティーにならって、滝に向かって左側から登ることにしました。
ロープを出して登りました。

大滝をあがってしばらく行ったところで休憩しました。

そこには大きな釜のプールがありました。
僕はテンションがあがって思わず飛びこんでしまいました。

もう一つの大きな釜のプールでは先輩方が釜プールの脇の壁のトラバースにトライ。
すべり落ちてびしょ濡れになってはキャッキャッはしゃいでおりました。

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釜と滝の連爆帯を過ぎると、苔むすゴーロ帯が続きます。
この沢に何本も入ってくる枝沢が、素敵な滝を何度か見せてくれました。

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本流の石には深い苔のカバーがかぶせられ、日本庭園のような景色が大自然のスケールで楽しめました。

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最後の詰めの急登では、どんどんと崩れる深い落ち葉の土を、這いつくばるように登りました。

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尾根に上がって、アプローチシューズに履き替え、ハーネスやヘルメットをしまい、
雲の中のブナのやさしい森を沢の余韻に浸りながら駆け下りていきました。

西丹沢自然教室に着く頃には、丁度雨も本降りになっていました。

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水無川本谷:極楽沢のぼり~


5月10日(日)晴れ

あったかくなってきてからずっと行きたかった沢のぼりに行ってきました。

砂利道の林道を車でずんずん進むと気持ちいい山間の風景が広がる場所につきます。

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気持ちよーい。

沢沿いをしばらく進むと…

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たーきー。わーい。

滝を登って上から見下ろすと…

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こんな景色が広がっておりました。

続いて上を見上げると…

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こんな感じ!しあわせー。
沢の音を聞いて頂けないのが残念!

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次々に現れる滝を見上げながら、どこが登れるか道を探すのがまた楽しい。

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少し脇をのぼります。

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水無川本谷には鎖やロープが豊富に残っています。
ありがたく使わせて頂きます。

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最後の方の滝になってくると崩落していてガレガレになってきます。
山も動いていないようで、実は姿を少しづつ変えているのです。諸行無常であります。

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木の叉尾根から書策新道というマイナールートを使ったのですが、
そこにはこんな景色が広がっておりました。

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木の叉尾根には紫色のツツジの花がたくさん咲いておりました。

今回もよいお山さんでした。
ありがとうございました。